新学期がはじました。毎年この時期は「家庭調査票にかく、学校から家までの地図っているの?マップの貼り付けでもいいの?」というようなツイートが毎年のようにながれてきます。私は公立の中学校で働いていたことがあるので、この家庭調査票の地図についての考えをまとめます。
まず結論!
家庭調査票に地図は 必要。
マップの貼りつけでも よい。
このように考える理由について、かいてみます。
地図が必要な理由
私が働いていた中学校では、提出された家庭調査票をクラスごとにファイリングして、防火・防犯機能のある棚に入れていました。この棚には指導要録という、子どもが卒業しても20年間保存しなければならないとされている書類も保管しています。
このことから、家庭調査票が、とても重要な書類として扱われているといえます。
(※指導要録について→指導要録Wikipedia)
さて、この家庭調査票の地図、どんな時に使うのでしょう。
ぱっと思いつくものは、家庭訪問や何かあったとき(早退、生徒指導)に利用する、ということだと思います。私も家庭調査票をみながら家庭訪問の準備をしたことがあります。学校から家の間にある目印(コンビニなど)を保護者がかいてくれるので、どんな順番で家庭訪問をするかを決めるのに役立ちました。(教師は数年で異動するので、実は学校周辺の地理にあまり詳しくない先生もいます。)
ただ、私が家庭調査票の地図が一番必要になるのは、災害時だと思っています。
東日本大震災をイメージしてみてください。電波障害で地図アプリが利用できない中で、教師が子どもを家に送り届けるという可能性も、ゼロではありません。(もちろん、保護者不在のまま子どもを家に置いてくることはありませんが。)
家庭調査票が、防火・防犯機能のある棚で保管されていることからもわかるように、これは非常事態でも利用できるように想定されているのではないかと思います。
普段はあまり必要性を感じられませんが、いざというときに使うかも!ということで、地図はかいて(またはマップを貼って)ほしいです。
家庭訪問とスマホの現実
私が中学校の教員をしていた頃、家庭訪問にはスマホが欠かせませんでした。次の家までの行き方を地図アプリで調べることはもちろん、訪問時間が長引いてしまい、次の家に電話連絡をすることにも使いました。
ただし、家庭訪問で使っていたスマホは私のプライベートのものでした。
学校では仕事用のスマホは配られません。通信費も電話代も払われません。個人情報の問題もあるので、家庭訪問で使った住所などの履歴はその日のうちに消去します。家庭訪問の時期と、校外学習などの行事がある月は、通信費と電話代が跳ね上がっていました。
ついでに、連絡網にのっている担任の連絡先も、プライベートのものです。夜の22時に着歴があり、かけ直したら保護者で1時間も悩み相談をされたことがあります。電話代やばかった。(プライベート用のスマホなので、個人情報である保護者の電話番号は登録していません。)
生徒の個人情報を大切に!とはいうけど、教員の個人情報は大切にされていないし、学校には固定電話が3台しかなかったので若手教員は順番待ちをしている間に夜になってしまうし、校外での活動も多すぎるし、ほーんと、仕事用のスマホがほしかったです。はい、愚痴でした。笑
ちなみに、職員室で隣の席だったベテランの先生は、家庭調査票だけをたよりに家庭訪問をしていました。「家庭調査票の地図って必要なの?」という疑問は、スマホを使いこなしている世代だから感じるのかもしれないとも思います。
「マップの貼りつけでよい」と表示してほしい
「マップを貼りつけてもいい」と保護者に伝えている先生もいましたが、私はそこまで気が利きませんでした。正直、誰がこの家庭調査票を用意してくれていたかも思い出せません。印刷室の配布物入れに入っていた家庭調査票をそのまま配っていました。
そのまま配っていたけど、クラスの半数はマップの貼り付けだったと思います。「ちゃんと地図をかけよ!」と言うような先生もいませんでした。
自分が保護者の立場になってはじめて「マップの貼り付けでもOK」ってどこかに書いてあるだけで親切に感じるのになって気がつきました。学級経営に授業に部活にと日々追われるように過ごしていましたが、このようなちょっとしたことに気づける教師でありたかったなと思います。