コロナでの休校中の話ではなく、長期休みの話でもなく、普段の宿題について。
もと公立中学校教諭として思うことをかきます。(私立とか小学校は事情が違うかも。)
宿題に関する今までの記事:
① 学校の宿題は必要か~もと中学校教諭が考える、家での理想的なすごし方~
家でのすごし方は、生徒それぞれの自由(自己責任)にすべきという内容。
② 宿題が不要だと思う理由①
子どもたちが忙しすぎて、余裕がない。個性やこころの豊かさを育むような時間の余裕や、時間の使いかたを考える経験ができない、という内容。
今回はその続きです。
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宿題が不要だと思う理由の2つめは、教室の雰囲気がわるくなるということ。
宿題のチェックや答え合わせをしているときって、教室がすごく重苦しい雰囲気になっていた。
間延びしたような雰囲気で、誰かを責めたり、隠れたくなるような気持ちになったり。
これは、教員をしていたときだけでなく、私が小学生の頃から感じていたこと。
教室には、
塾などで先取り学習をしている生徒
数学が得意な生徒
数学が苦手な生徒
数学が得意でも、苦手でもない生徒
など、さまざまな生徒がいる。
しかし、宿題はどんな生徒も同じものを出されることが多い。
どの生徒に合わせて宿題を出すべきだろうか?
全ての生徒に合わせた宿題を出すのは難しい、というのは想像しやすい。
そして、宿題が出るということは、基本的に全員がやる、ということになる。
頑張って(もしかしたら、しかたなく)取り組んできた生徒は、宿題をやらないことは「悪」「ずるい」と感じてしまうだろう。
そして、数学が苦手などの理由で宿題ができなかった生徒は、肩身の狭い思いをする。
数学が苦手な生徒でもできるように、授業をすればいいと言われそうだけどね。それはもちろんそうなんだけど、、、
ちょっと想像しにくいかもしれないけど、ほんとに数学が苦手な生徒は、正の数負の数の足し算どころか、小学校で習う内容(たとえば、分数の通分や、長方形の面積の求め方)にも補助が必要だ。
つきっきりでやれば、その場ではなんとなく理解してもらえることがあっても、宿題となるとできなくなることってよくある。
こんなふうに、ひとりでは宿題ができない生徒が(ほぼ確実に)いるという現実の中で、全員が同じ宿題をやるのは、けっこう難しいのではないかと思う。
(本当はできるのに)「わかりませんでした」といえば、やらなくてもいいと考える生徒も出てくるかもしれない。
前回から宿題のデメリットを挙げてきたけど、宿題のメリットってなんだろう。
定着させたい内容は、授業の始めにちゃちゃっと復習したり、フラッシュカードを活用したり、そういう方法でやればいいと思う。
授業を生徒のレベル別にしたらまた状況がかわるんだろうけど。
なんでレベル別にしないんだろうね?
次のテーマは「勉強しなさい」は誰のため?勉強と信頼について の予定です。