退職前、最後に受けもった学級が中3。そのときのクラスの自慢ばなしをさせてください。すっごく大好きな学級でした。
ケイドロやるよ!
昼休みにランチルームから教室に戻ると、黒板に
みんな校庭集合!男も女も!ケイドロ!
の文字。
中3なんて思春期真っ只中。校庭で遊ぶ子なんて少数派なのに、みんなで走り回っていました。
男女関係なし、仲良しグループ関係なし。クラスの中心人物的な子も、コミュニケーションが苦手な子も。
すてきだなって思ったのは、黒板の「みんな校庭集合!」の筆跡が一人のものではなかったこと。(誰の筆跡か、たいていわかります。)
いろんな子がほんとにやりたくてやってるんだなって伝わってきました。
そして、全員校庭に出てる日もあれば、自分の気分によって教室ですごす子がいる日も。ほんとうの意味での自由参加。すてき。
こんな日々が1ヶ月くらい続きました。時期は初冬です。
受験生だし、寒い日もあったのに、たくさん走り回ってました。かわいかったなあ。いいリフレッシュにもなっただろうな。
修学旅行でおにごっこ
クラスごとの班別行動。
うちのクラスが選んだ地域はマイナーな場所で、ほかのクラスと行き先がかぶりませんでした。
私は修学旅行の引率ははじめてだし、もうひとりの引率の先生もはじめて。無事にすごせるか、緊張の1日でした。
ある程度見回りがすんで、集合場所の公園にドキドキしながら早めに行ったら、みんなで平和におにごっこをしてました。笑
班別行動の計画はしっかりたてたのに、意外とどんどん進んじゃって、行く場所がなくなってしまったたしい。公園にどんどんほかの班が集まってきて、どこからともなくおにごっこがはじまったと。
私はみんなちゃんと戻ってこれるかドキドキしてたのに、目の前には平和すぎる光景。
もう一人の引率の先生に「時間いっぱい班活動してないのに、叱らないんですか?」って聞かれたけど、これって叱るべきだと思いますか?
計画にしたがって市内いろいろ見学して、早めに戻ってきて鬼ごっこ。
見学に飽きちゃって計画より早く進んじゃうって、わたしはいいと思います。飽きちゃうとか、子どもの正直な反応だと思う。
私が勤務していた学校は、なんだか軍隊のような中学校でした。
・授業開始の3分前から席について、各自ドリル学習。
・集会のための移動中は、誰も声を発さない。(声が聞こえたら教室に戻ってやり直し。)
・掃除は15分みっちり。早くおわったらとにかく床を磨く。
・眉毛を剃るのも禁止。
学校や学年の方針だから、指導しなければいけないけど、ほんとうは嫌だった。
3分前学習は、チャイムとともに授業に集中できるようにするためらしい。そんなの教師が生徒を授業に引き込めないのを責任転嫁してるだけだと思います。
掃除や話し合いが早く終わったら自由時間にしたい。決められた時間をめいいっぱい使うことをよしとするのは、長時間労働につながるだろうなあと思います。
こんなキチキチした息苦しい学校だったけど、学級はほんわかしてて、子どもらしさや自分らしさを出してくれました。それが、私の学級の自慢です。
まあ、そんなに成績はよくないんだけどね。笑
退職しておもうこと。
退職して学校から距離をおくと、「もっとこんな話をしたかったな」「学校のあの制度は変だったな」なんてことをたびたび考えるようになりました。退職したからこそ感じることもあります。
学校の先生も、完璧ではないです。悩みながら、後悔もしながら、毎日を追われるように過ごしています。(先生にこそゆとりが必要です。)
わたしは当時のわたしの精一杯をしました。でも正直、またあの子たちに会って話したいことも山ほどある。
でも、あの子たちにとってわたしはもう過去の人。わたしのいいところもよくなかったところも、変えられない。お互い前をむいて歩いていくしかないんだよな。
いつか道端で会えたら、すごくすごく嬉しい。