子どもに「こんなことを言われたら、お友だちはどう思うかな?」と聞くたびに自省すること

子育てをしていると、自分の子どもに「そんなことされたらママは悲しいよ。」「そんなこと言われたら、お友だちはどう思うかな?」などと人の気持ちを考えさせようとする機会がたびたびあります。

自分の子には、人の気持ちを考えられる子になってほしい。

と思うと同時に、その難しさを感じます。

 

私は子どもの頃から養護教諭(保健室の先生)になるのが夢で、「心のケア」というものに関心がありました。

いろんなことを勉強して、子どもの心に寄りそえる養護教諭になりたかった。子どもの心に寄りそえる養護教諭になれると思っていました。

 

しかし、ある本に「わかった気になるな」と言われたような気がして、雷を打たれたような衝撃を受けました。それは、

患者の立場にたて。気持ちを考えろ。
そして、その立場にたてないこと、気持ちをわかることができないことを自覚せよ。

 

人の気持ちなんて、わかるわけがないんです。 感じ方は人それぞれだし、今まで生きていた環境も違う。

そんなのはあたりまえなんだけど、自分の子どもには簡単そうに「お友だちはどう思うかな?」って聞いていた。そして、自分の中でも簡単な答えしか考えていなかった。

相手のことを考えることはとても大切。でも、わかったようなつもりになってはいけない。 一歩進んで、「わかることはできない」ということを自覚し、どうすべきか考えたい。

 

この考え方は、中学校の先生をしていたときにも役立った。けど、子育てをしている今のほうが、思い出してはハッとする頻度が多いかもしれません。

だって、目の前にいる、自分の子どものことを、親はわかったつもりになりがちだから。

子どもに「相手の気持ちを考えて」と言うたびに、「私はこの子の気持ちをちゃんとわかることなんて不可能なんだ」って思うのです。

忘れがちだけれど、自分の子どもでさえ、私とは違う感じ方、考え方をしている。忘れずにいたいです。

 

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