本屋で背表紙を目にしてまずタイトルが気になった本。「小児科医」「最高の子育て」だなんて、子育中ならみんな手に取りたくなるようなワードが並んでて、むしろ胡散臭いと思ってしまった。笑
はじめに、のところで
(要約)
小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て 高橋孝雄さん著
”たとえ健康な子どもを育てていても悩みはつきないもの。ちまたには情報があふれ、「失敗はすべてじぶんのせい」「あとで後悔したくない」と感じ、プレッシャーや不安に押しつぶされそうになっているのではないでしょうか”
という記述があり、そうそう、娘はとっても素敵な子なのに、自分が情報に振り回されてあれやこれや求めたくなってしまっているのよ!と共感、本を購入した。
小児科医が言っていることだからってだけでふむふむそうなのか、と納得するのはなんだか安易な気がするけど(←性格わるい)でも、子どもへの優しさと、ユーモアを感じて読みやすかったし、たくさんの経験談からすっと心に響いた。
備忘録
早期教育はほとんど意味がない
メンタリストDaiGoさんも言っていたので知ってはいたけど、立場の違う人が言っているとまた説得力がある。
私は元中学校教員なのだけど、英語とか数学とかっていう学習を早いうちに塾とかで学ぶ必要ってあるのかな?って疑問に思ってた。
そういう「結果がわかりやすい」学習って親としてはやらせやすいけど、そんなのどうせ学校で学ぶし、なんなら苦手でも生きていける。
そういうのにお金や時間を使うんじゃなくて、例えば家族で海外旅行にでも行って、海外の人ともコミュニケーションが取れるようになりたいな、って子どもが感じれば子どもが自分で英語を学ぶ意欲に繋がるし、日本にはない文化や考え方に触れることで新しい考え方ができるようになると思っている。(私もそういう経験がある。)
だから、家庭ですべきなのは早期教育じゃなくて、学校ではできないような経験をさせてあげること。
でも、実際は身の回りにいろんな学習塾やら早期教育をすすめる雑誌・テレビがたくさんあって、子どもにそういうのを取り組ませている家庭もたくさんあって、なんだかうちもやらせないと遅れを取らせてしまうかな?って不安になっているのが現実の私。
でも、
”子どもの能力や才能、そして性格までもが、環境要因よりも、むしろ遺伝子の力で大きく左右される”
との記述があり、そのエピソードもたくさん書かれていて、大切なのは娘がもって生まれた力を信じ、娘らしく娘らしさを伸ばすことだな、という気持ちになった。
あと、
”英会話を子どもに習わせたいのは、実は親が英語をしゃべれないからだったりしませんか”
”「英語がぺらぺらとしゃべれるようになりたかった」と、子どもに夢を託すくらいなら、今からでも遅くないです。時間をやりくりして、基礎からもう一度、やり直してみませんか」”
というところがたまらなく好き。
自分ができなかったことを子どもにやらせるのは、気持ちはわかるけど違うよな。まず自分がやってみる。やりたくないと思ってしまったら、きっと子どもに押し付けてるだけなんだろうな、子どもだってやりたくないかもしれないよな。
親が(楽しそうに)やっている姿を見て、子どももやりたがったらやらせればいいし、興味なさそうなら親だけでやればいい。
親の育児不安やストレスが、(子どもの)自己肯定感を下げる原因になることも
著者によると大切なのは「共感力」「意思決定力」「自己肯定感」の3つを身につけさせること。
でも、親として(教員としても)それを伸ばすことができていたか。ふとしたところでこれらを壊すようなことをしていないだろうか。
・自分の子どもと他の子どもを比較する。あの子はもう〇〇ができるのに。
・大人の都合のいいように子どもを導こうとする。ああしなさいこうしなさい。〇〇より△△のほうがいいんじゃない?
・子どもの純粋な思いを否定する。〇〇になんてなれるわけないよ!子どもはお化粧なんてするもんじゃないわよ!
書き出せないくらい思いつく。私はこどもの力を伸ばしたいのか、壊したいのか??
情報や他人に振り回されるんじゃなくて、正しい情報を見極めて、自分の頭で考えないとな、と思う。
幡野広志さんの著書「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる」でも、意思決定について書かれていたのを思い出した。(>>【読書記録】子育ての中で子どもに失敗させる大切さに気づいた)
あと、うちはよく一時保育をリフレッシュ目的で利用しているんだけど、頭では「私がリフレッシュしたり、ゆっくり考え事をしたり、読書とか好きなことをしたりする時間をもつことで育児や家事にもいい影響がある」と思ってはいても、なんだか後ろめたい気持ちもあって。
でも、確実に私の育児不安やストレスを解消することにつながっているので、後ろめたい気持ちを感じるのももったいないなって思った。
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本を読み終わったら、いつもはすぐにメルカリに出してしまうけど、この本は時々読み返したいと思った。あと、子育て中の人だけじゃなくて、学校の先生にもおすすめ。